手を繋いで歩く俺達の後ろで、フィナーレの打ち上げ花火が上がった。
夜空に広がる光の大輪…。
“綺麗ね”
花火を見上げる安田。
光が白い肌に反射して…。
「花火を見ながらあの時圭ちゃん、何て言ったか覚えてる?」
ポスターから視線を俺に向け、ユーレイになった高校生の安田は笑う。
「葉月ちゃんの方が綺麗って言ったんだよ?」
「…知らねぇ、覚えてねぇ」
安田から視線をそらした。
「なぁんだ、覚えてないの?」
安田は残念そうに頬をふくらませた。
…ホントは、はっきりと覚えてる。
安田に言った臭いセリフも、綺麗だと思った事も。
ガキだったから素直に言えた。
今は…。
「ホント、懐かしい」
ポスターを見つめる安田。
「…行くか?」
「え?」
「バイトだから夕方からになっちまうけど」
「ホント?!圭ちゃん!」
身体ごと振り向き、安田は嬉しそうに笑った。
その満面の笑顔につられて、俺も笑う。
「ああ、ホント」
俺も久しぶりに行ってみたいしな、安田と。
久しぶりの今年が、最後になる…。
最後…。
安田と一緒に居れる期限は、望んでいなくても確実に迫ってきてる。
夜空に広がる光の大輪…。
“綺麗ね”
花火を見上げる安田。
光が白い肌に反射して…。
「花火を見ながらあの時圭ちゃん、何て言ったか覚えてる?」
ポスターから視線を俺に向け、ユーレイになった高校生の安田は笑う。
「葉月ちゃんの方が綺麗って言ったんだよ?」
「…知らねぇ、覚えてねぇ」
安田から視線をそらした。
「なぁんだ、覚えてないの?」
安田は残念そうに頬をふくらませた。
…ホントは、はっきりと覚えてる。
安田に言った臭いセリフも、綺麗だと思った事も。
ガキだったから素直に言えた。
今は…。
「ホント、懐かしい」
ポスターを見つめる安田。
「…行くか?」
「え?」
「バイトだから夕方からになっちまうけど」
「ホント?!圭ちゃん!」
身体ごと振り向き、安田は嬉しそうに笑った。
その満面の笑顔につられて、俺も笑う。
「ああ、ホント」
俺も久しぶりに行ってみたいしな、安田と。
久しぶりの今年が、最後になる…。
最後…。
安田と一緒に居れる期限は、望んでいなくても確実に迫ってきてる。



