周りを見渡す。
変わらない。
変わらないんだ…安田が死んでも…。
安田が閉じ込められた物置も庭の風景も、何にも変わらない。
小学生の頃、夏休みの観察日記で、この庭に安田と向日葵を植えた。
秋には種がたくさん出てきて、ハムスターを飼っている友達にあげた。
秋には焼き芋を焼いてもらって食べた。
思い出はたくさんある。
ただ…本当の意味で過去。
…何か、ちょっと思い知らされる。
「圭ちゃん?」
インターホンを押そうとした背後から声がした。
圭ちゃん…?
反射的に振り向いてた。
「圭ちゃんじゃないの」
「………あ」
立っていたのは…おばさん。
安田の母親だった。
そうか、安田が俺を圭ちゃんって呼ぶから、おばさんも同じ様に呼んでたんだ。
何となく笑えた。
安田かと期待した俺がいたからだ。
考えたら、自分から隠れたあいつが声掛けてくる訳ない。
「告別式以来だね、おばさん」
「そうね」
おばさんは笑った。
安田は母親似だから、安田が歳をとってたらこんな風だったんだな。
おばさんは買い物に行っていたらしい。
スーパーの袋を両手に歩み寄って来た。
変わらない。
変わらないんだ…安田が死んでも…。
安田が閉じ込められた物置も庭の風景も、何にも変わらない。
小学生の頃、夏休みの観察日記で、この庭に安田と向日葵を植えた。
秋には種がたくさん出てきて、ハムスターを飼っている友達にあげた。
秋には焼き芋を焼いてもらって食べた。
思い出はたくさんある。
ただ…本当の意味で過去。
…何か、ちょっと思い知らされる。
「圭ちゃん?」
インターホンを押そうとした背後から声がした。
圭ちゃん…?
反射的に振り向いてた。
「圭ちゃんじゃないの」
「………あ」
立っていたのは…おばさん。
安田の母親だった。
そうか、安田が俺を圭ちゃんって呼ぶから、おばさんも同じ様に呼んでたんだ。
何となく笑えた。
安田かと期待した俺がいたからだ。
考えたら、自分から隠れたあいつが声掛けてくる訳ない。
「告別式以来だね、おばさん」
「そうね」
おばさんは笑った。
安田は母親似だから、安田が歳をとってたらこんな風だったんだな。
おばさんは買い物に行っていたらしい。
スーパーの袋を両手に歩み寄って来た。



