隠れたのはいいが、錆びた扉がきつく閉まってしまい出られなかったらしい。
見つけた時、安田は砂と埃まみれで、狭い空間の中で膝を抱えてた。
扉をこじ開けた俺を、安田は涙で真っ赤に腫れ上がらせた瞳で見た。
それでもあいつは笑った。
笑って…見つかっちゃったと言った。
呆れるくらいの強がりを平気で見せる奴だった。
ホントは心細くて仕方なかったくせに…泣きながら隠れていたくせに…馬鹿な奴なんだ。
ホント…素直じゃない女なんだ…。
その後、門限破りで互いの母親に叱られる中、安田はずっと俺の手を握りしめていた。
叱られているのに笑って…小声で…見つけてくれてありがとうって…。
聞き間違いかと思うくらいの小さな声で。
今も…安田は隠れんぼをしているんじゃねぇか。
泣きながら、どこかに隠れているんじゃねぇか。
見つかっちゃった…って、また涙目で笑うんじゃねぇか。
そう思えてならない。
変わってないから。
あいつはガキの頃から変わってないから。
「…ブル田には悪いと思う…けど捜してぇんだ。黙って待てる程時間はねぇ」
ガキの頃みてぇにまた明日なんて…安田にはもうねぇんだ!
見つけた時、安田は砂と埃まみれで、狭い空間の中で膝を抱えてた。
扉をこじ開けた俺を、安田は涙で真っ赤に腫れ上がらせた瞳で見た。
それでもあいつは笑った。
笑って…見つかっちゃったと言った。
呆れるくらいの強がりを平気で見せる奴だった。
ホントは心細くて仕方なかったくせに…泣きながら隠れていたくせに…馬鹿な奴なんだ。
ホント…素直じゃない女なんだ…。
その後、門限破りで互いの母親に叱られる中、安田はずっと俺の手を握りしめていた。
叱られているのに笑って…小声で…見つけてくれてありがとうって…。
聞き間違いかと思うくらいの小さな声で。
今も…安田は隠れんぼをしているんじゃねぇか。
泣きながら、どこかに隠れているんじゃねぇか。
見つかっちゃった…って、また涙目で笑うんじゃねぇか。
そう思えてならない。
変わってないから。
あいつはガキの頃から変わってないから。
「…ブル田には悪いと思う…けど捜してぇんだ。黙って待てる程時間はねぇ」
ガキの頃みてぇにまた明日なんて…安田にはもうねぇんだ!



