涙で濡れたアタシに、 小林奈月は黙ってハンカチを 差し出した。 「落ち着いた?」 彼女はアタシに向けて、 にっこりと笑う。 「あ、ありがとう」 そんな優しさに戸惑って アタシは苦笑い。 「こんな遅くまで街にいたりなんか したら、ダメでしょ?危ない人 たくさんいるんだから!」 そんな風にアタシを怒る彼女を、 アタシは呆然と見つめた。 この人が・・・ 高峰の彼女。 悲しいような 少しホっとしたような・・ 複雑な思い。 彼女がこんなに可愛くても、 アタシより可愛い人だし 仕方ないか。 とか