けれども、アタシの気持ちは

まだ迷っている。




まだ・・・

まだこの気持ちは、

誰にも言えない。






「あっれぇ小雪ぃ?」

「あ、雪奈・・・」

「淳平君と帰ったんじゃ

なかったの?」

教室で携帯を片手に、いすに座っている

雪奈が、アタシを不思議そうに見つめる。

「あーうん。ちょっと、忘れ物」

忘れ物、だなんて。ウソ。

ほんとは、高峰に会うために

学校に戻ってきたのだった。



『奏多ならさ、まだ学校にいると思う

から。行っておいでよ』



優しい彼に甘えて。

アタシは戻ってきた。

それなのに、アタシはまだ

答えが見つからないまま。