「全然いいよ!彼氏、今度紹介してね」

亜希は笑顔で手を振って、友達のところへ

走っていった。

紹介っていっても・・・

亜希もよく知ってる人だけどね。

だって、学園の王子だし。



アタシはいつものように

靴箱を開ける。

すると、いつもと違う光景が

アタシの目に飛び込んできた。

「な・・・にこれ」

―バカ

――うざい

―――きもい

中傷の言葉が次々とアタシの心に

突き刺さる。

アタシのシューズは無残に切り裂かれ、

血のように真っ赤に染められている。

「誰がこんなこと・・・」



「いい気味だよね」

「ほんと。学園の王子たぶらかすからだよ」

「前からあたしもうざかったんだよね」