『だから、好きなんだって。』


「もしかして…」
「違ぇよ。」



口を手であてた結城の言葉を即座に俺は否定した。







「マジで眠いし疲れてんだよ…昨日のバイトで。」




「あ、そうなんだ。」



そう言ったけど、結城は相変わらずな顔で俺を見ていた。






「…ってかさ。さっきから俺をそんな風に見んな!」



今だに憐れむ目をした結城に少しキレた俺は結城の顔をつねってやった。





「いへっーはなへよっ!」





結城の少し色黒の頬を最後に思い切り引っ張った後、俺は離してやった。







「ったく、心配してやったのに。」


頬を押さえながら、ぶつぶつ文句を言いはじめた結城に俺は再び手を上げたら、途端に黙った。










「……もう。そんなことしてたら、席の周りの奴らに怖がられるよ?」






「……いや、もう完璧に怖がられてんだろ…。」








…そう








入学してから早くも二ヶ月たった今、






俺は怖がられる存在になっていた。











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