『だから、好きなんだって。』



―ガタッ




俺が席に座ると、右隣の奴らから何やら視線を感じた。





…何だ?










そいつの方に向けて少し睨むと、さらに、そいつらはうざいくらい見てヒソヒソと話し始めた。





そして、時折ニヤニヤ笑ってみせたり、クスクス笑ってきた。






…っあぁ。

うぜぇ。







本当はそいつらに文句の一つでも言ってやりたい気分だったが、イチイチ手をだしても面倒臭いと思った俺は聞こえないフリをして、机に伏した。






「あ、あいつだよ。銀髪の。」

「あぁ、お前マジドンマイだな!こんな奴と隣の席なんて!つぅか怖ぇな。こんな間近だと。」



「いや、でも案外俺は怖くねぇよ?むしろアホみたいでさ。笑っちまうよ。」



「確かにな。銀髪とかどんだけだよ!じじくせぇよな!」


「あぁ。分かんねぇよな。大体銀髪がモテるとか思ってんのかね?あのほら、結城、だっけ、あいつも金髪じゃん?そういう髪型してる奴らは皆自分がモテたいって思ってんじゃね〜!

ゲラゲラした笑いとその会話が机に伏している俺の耳までもはっきり聞こえた。




俺は正直短気だから、最初の会話の時点でキレ気味だったけど、




ある程度問題を起こさないように気をつけていた俺はぐっとこらえていた。




しかし、
そいつらの結城の話に対しては俺はどうしても我慢出来なかった。









何も知らねぇくせに。









苛立つ気持ちは押さえられない。









そして、さらに続く結城の会話を聞くうちに俺はとうとうキレて思いっきり立ち上がった。









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