…なんだろう。
今日という何かと大変な日の大半を過ごし終えたあたしは、机に上半身を預けながらぼんやり考えた。
……なんなんだろう。
今は既に放課後なわけだけど、それまでの時間だけで数十回は奴と目が合った気がする。
…なんなんだーっ
「はあ…なんであたしが悩まなくちゃなんないの」
余計に疲れてさっさと愛香と帰ろうとすれば奴、篠原龍斗に呼びとめられて。
『ちょっと俺用事あんだよ。教室で待っててくんねえ?』
『はあっ!?なんであたしが』
『なんだ雪菜ったら篠原くんと帰る約束してたの?早く言ってよー!』
『え、いや違っ』
『じゃああたし先帰るね、また明日~』
『ちょっ愛香!』
『じゃ、俺も行くから。ぜってー待っとけよ』
『え、ちょ…ええー!』
…そんな感じでもう待つしかないみたいな状況で、待ってやってるわけだけど。
あの時絶対近くの人あたしたちの会話聞いてたって!
絶対、不思議に思ってる人とかいるってー!
「なんか泣きそ…」
そんな感じで1人泣きそうになっていると、教室のドアが開いて。
「お、ほんとに待ってる」
…奴がきた。

