「えー実は、転校生がこのクラスに入る」



淡々とした、堅物で有名な堀内先生の声。


温かい日差しにウトウトと眠ってしまいそうになっていたあたしは"転校生"という言葉に顔をあげた。


わー、高校に入って初めてかも。



「今日からこの2年3組で共に学んでゆく…篠原、龍斗くんだ」



先生の呼び掛けに、教室のドアを静かに開いて入ってくる。


それは、色素の薄い綺麗なクリーム色の髪の男の子で。


見知った、顔。



(うそ……)



こんな漫画みたいなことあるのだろうか。


…それは、約10年前にさよならした"幼馴染み"だった。