「親方! 空から女の子が目算で800人程度、降ってきた!」
 しかも死体。さいしょ、親方はパドゥーの言っている意味が良くわからなかった。何せ背中で聞いていたし、工場はやたらめったらうるさいので、女の子が降ってくるどさりばとりといった音も何か別の、機械の出す音だと無意識で判断していたからだ。
 死屍累々とはこの事だ、と親方は思った。女の子の山はどんどんどんどん高くなる。パドゥーが叫ぶ。
「引っ切り無しに降ってくる! 頭に当たったら、頚椎を骨折して死亡してしまうだろう」
 女の子の死体の山の、部品の1つになるのは、2人とも結構いやだった。パドゥーはレンチを振り回して喚いている。親方も逃げ回りつつなるべくして状況を把握しようと努めた。だから、急に女の子が止んで、しかも死屍累々が全員動き出した時、彼は半狂乱となった。