目の前のマヌケライオンは
ゥチの姿を見るなり、目をキラキラと輝かせる。
まるでその目は、小さい子が欲しくて欲しくて堪らなかった物を目の前にした時の様な輝きを放つ。
奴のそんな目は見たことがない。
てか、気持ち悪い。
そう感じると同時に、そんな目を見て軽く嫌な予感がした。
間違いなく奴の目をキラキラさせている原因は………
ゥチだろう。
何故ゥチが奴の目を輝かせてしまっているのかは不明だが…ソレだけは明らかだった。
ゥチがあれやこれやと思考を巡らす間に
ジリジリと近づいて来ていたマヌケライオン
そのことにゥチが気付いたのは奴との距離が5メートル程になった時……
先にも増して嫌な予感が強くなる。
咄嗟にゥチはドアから出て廊下に飛び出していた。
走りには自信がある。
あるはずだった……
最初はちゃんと走れていたのだが
途中からは、一生懸命足を動かしているのに全然進まない;
しかも他に沢山いたはずのお化け役の人達が誰ひとりとしていない。
もぅ嫌だーー!!!
必死に奴をまこうとするが……
ぱしっ
奴の手はゥチの右手をしっかり捕まえた。


