ある日、そんな私を見かねた
流架のバンドメンバーの一人が

私に一通の手紙を手渡しました。

そこには何故かピンクのペンで書かれた
へたくそな字が並んでいました。

でもその字は確実に流架のものでした。

私はすぐさまその封筒を空け
狂ったようにその手紙を読みました。



読んでいる途中から
涙が次々と溢れて止まらなくなり

深夜のファミレスで
私はボロボロと泣いてしまいました。



「本当にごめん。

 実はこの手紙は流架が死んだ時に
 すぐ見つけてたんだ。

 でも、ことねちゃんには
 渡さないほうがいいのかなって。

 ほら、これ読んだらことねちゃんは
 余計に流架を忘れられないだろうし

 でもこれは流架がことねちゃんに
 渡すつもりだったんだって思いもあって
 
 やっぱり渡そうか迷ってたんだ。


 そしたら昨日の夜、夢に流架が出てきてさ
 そしたら流架、困った顔してんの。

 すっげー分かりやすいじゃん?流架って。
 そんないつもの流架でさ。

 俺、夢って分かってなくて

 起きたら夢でさ。俺、泣いちゃったよ。」



彼はここまでゆっくり一言ずつ話すと
俯きました。