声のする方を見ると昴君が体育館に入って来た所だった


昴君…

赤いユニフォームに黒と赤のツートンのリストバンドをした姿で友達と話しをしながら歩いてくる


女の子の黄色い声にも顔色一つ変えずベンチまで来ると

ドカッと座ってバスケシューズを履き始めた


『『キャー!!』』

何かをするたびに響く女の子の声で昴君がいかに人気があるかが分かる


私もしかして凄い人を好きになっちゃったのな…


そんな事を考えながら昴君を見て居ると

同じクラスの名波君と目が合った


名波君もバスケ部だったんだ…

彼は私と目が合った後下を向くと昴君に話し掛けた


何かを小声で話したかと思うと昴君がいきなり上を向いた


あっ…

目が合った…

数十秒間視線が絡まり合った後


ニコッと微笑んだ

−−トクン……

その顔を見ただけで私の心臓は自然と高鳴りだす


−−ニコッ…

私も笑顔を返すと
昴君は慌てて下を向いて何かを取り出しいじりだした


−ブルルル…

えっ…何??

制服のポケットで携帯が揺れた

慌てて取り出し見ると

−−大羽昴−−

【何できてんだよ!てか来るならメールしろよ!】


昴君からのメールだった