「萌音の玉子焼き旨そう…」

と言って私のお弁当に入っていた玉子焼きをジッと見詰めてる


「クスッ…いいよ、食べる??」

私が答えると昴君の顔がパッと明るくなる

「マジ!!いいの!!」

その顔が余りにも可愛くて思わず笑ってしまった


「なんだよぉ…まぁいいや…アーン♪」


昴君は大きな口を開けて玉子焼きをねだってきた


「えっ!!」

恥ずかしくて固まっていると


「早く♪♪」

嬉しそうに催促してくる

「はい…」


私はお箸で玉子焼きを取るとそっと昴君の口に入れた


「何この玉子焼き…すげぇ旨ぇ…」

目を丸くしながら昴君が言った


「あっ…その玉子、ダシ巻き玉子なの。私のは隠し味に麺つゆを少し入れるんだ!」


お母さん直伝の玉子焼き…


お母さんの味…



ふとまたお母さんの事を思い出した

「萌音??どした??」


昴君に話し掛けられて自分が暗い顔していたのに気付く

「ううん!!何でもない。褒めてくれてありがとう…」

私は精一杯の笑顔で笑って見せた

「うん…」

昴君は何かを察したのかそれ以上は聞かないでくれた


「それより!!この玉子焼き大会の弁当に入れろよ!!」


「えっ…玉子焼きを??」


ビックリして大きな声を出してしまった


でも気にする素振りも無く言葉を続ける


「だって、こんな旨いの食べた事無いし。それにさ、凝った物だすより普通の物で勝負した方がインパクト逆にあるんじゃねぇの??」


その言葉に胸が打ち抜かれたような気がした…

そっか…

そうだよね!!!


凝った物より味で勝負した方がいいよね!!

「私、お弁当和食で勝負する!」


私がそぉ答えると嬉しそうに昴君は頷いた


「そうだよ!!頑張れ!」


そぉ言ってピースのサインをしてくれる

私はとびっきりの笑顔で頷いて

「うん!頑張る♪今日のお弁当楽しみにしててね」

て真っ直ぐに昴君を見つめて言った…