ハッと我に帰ると

大羽君の手が私の目の前にあった

えっ…何??


そして私の唇の端を撫でた


「おっ大羽君!!!」

顔を真っ赤にしながら口をパクパクさせてると


「クリーム付いてるよ♪」

えっ??

慌てて自分の口の周りをハンカチで拭いた

「あっ…ありがとう…あの!!これで大羽君の手拭いて!!」


ハンカチを差し出したけど

「平気、平気。」


そぉ言って私の口に付いていたクリームを口に入れた

わ!!私のクリーム!!


私の顔はますます赤くなっていった


は…恥ずかしすぎ…


「大羽君…」

「…ばる……。」


えっ??


「はい??」


「大羽君じゃなくて昴でいいよ」


昴って……


「そっそんなの無理だよ!!」

「なんで??これから毎週会うのに、大羽君なんて堅苦しいだろ?」


そうだけど…


「なっ??」

そぉ言ってまたキラキラの笑顔を私に向けた


私…

この笑顔に弱い気がする…


「はい…昴…君。」


俯きながらそぉ答えると


「はい♪」


そぉ言ってニコニコしながら頭を撫でた

そして…


「また来週、楽しみにしてる」


と言った…


私は昴君の顔を見つめながら


昴君に対する自分の気持ちに気付き始めていた


でも自信がなくて…


好きになっちゃいけないような気がして


必死に自分の気持ちを押さえこんで


そして体育館へと戻る彼の背中を見送りながら

昴君が触れた唇の端をそっと触った…

そこにはまだ彼の

昴君の手の感触が残っていた…