額に熱が籠もってきていた。
痛みなんか…気にならない。
己の弱さに腹が立つ。
ーゴンッ!!
「黄泉様!なにをしているのです?!」
何回か叩きつけた後、天竜が怒鳴るように私を止めようと手を伸ばしてきた。
その手を乱暴に払う。
天竜は一瞬驚いたように目を見開き、払われた手をだらんと力なく落とした。
「…すまぬ。笑って…別れることができぬ…ッ」
今の私の顔はきっと、酷く醜いだろう。
涙で濡れた頬。鼻水を啜る気力もない。
おまけに額は赤く腫れている。
「…情けない…」
情けない…!
決めたのは、ほかの誰でもない自分なのに。
「情けない…ッ!!」


