「黄泉様…別れるなら、笑って別れましょう?」
そう言うのは先程まで、涙していた天竜。
その瞳には、すでに涙は無く、泣いたという痕跡だけが残っている。
「最後に見るのは…貴女の笑顔が良いです」
私の顔に手を添えながら、そう言う天竜。
天竜の瞳に映っている私は酷く顔を歪めていた。
「すまぬ…ッ」
「謝らないでください…黄泉様は正しいことをしていますよ」
太陽が徐々に高くなってくる。
別れの時間が容赦なく私に迫ってきている。
「…天竜、幸せになってくれ…私なんか気にしないで幸せに…」
そう、言い放つとゆっくりと立ち上がり天竜から身を離した。
乱れた衣服を整えながら出口に、足を向ける。


