ゆっくりと深呼吸をして、心中を穏やかにさせる。
襖の向こう側にいる天皇に声をかけ、了承を得たところで、ゆっくりと襖を開けた。
「天皇、黄泉に御座います。」
「入れ」
天皇は一言だけそう言うと、私と話し合う体勢をとっていた。
ゆっくりと歩み進め、大体のところで正座をする。
星宴も私の横に正座をしていた。
少しの沈黙の後、天皇が淡々と言う。
「用件は手短に言う。星宴の求婚を受けよ。早く、安心させてくれ」
あまりに衝撃的すぎる言葉。理解するのに、多少時間を要した。
「何を言うのです…?!」
震える声色は、動揺を隠しきれていない。
「星宴の求婚を受けよ。と、言うておる。」


