君と歩む夢みて~時は平安~




開き直ったような星宴の笑顔は先程まで、涙していたのが嘘のよう。



未だにポカーンと口を開けている私に、微笑む星宴。



落ちそうになっていた涙は驚きで引っ込んでしまった。



「黄泉様、こればかりは私の自由ですよ?」



「え?……あ、あぁ。」



ふと、気がつくと既に星宴は襖に手をかけ部屋から出ようとしている。



「あ、帰るのか…?」



「ええ。天皇には私から話を致します。」



「あ、有難う…」



若干、放心状態にあるため、受け答えが上手くいかないのは仕方がない。



星宴はチラッと私を見ると、



「お慕いしていますよ。黄泉様。覚悟、していて下さい。」



なんて、言い残して部屋を後にした。



パタンと閉まる襖。