君と歩む夢みて~時は平安~




俯いていた私の目に映ったもの。



星宴の衣にできた、丸いシミ。



それは、どんどん増えていき、大きい円のシミを象っていく。



ゆっくりと顔を上げると、目に映ったのは手で目を覆っている星宴の姿。



押さえきれていない涙は頬を伝っていた。



「…っ」



こういうのを直接的に見ると…なんだか切ない。



「黄泉…様、お気に…なさら…ずに…ッ」



嗚咽が混じる泣き声に、頬から落ちていく涙。



まるで、自分の痛みのようで涙腺が緩む。



ギュッと目に力をいれ、泣きそうな衝動を懸命に押さえた。



「情けないです…ッ。黄泉様の前で、涙…を見せるなんて…ッ!!」



そう言うと、星宴は目を覆っている手ではない方で、床をドンッと強く叩いた。