君と歩む夢みて~時は平安~




きっと、それは偽りのない彼の本心。



突然すぎる展開に頭が働かない。



揺らぐ心は、展開についていけないから。



頭に浮かぶのは…天竜だ。



私がこんな意味のわからない男に靡くはずがない。



暫くして、私は口を開いた。



「お気持ちに…答えることは…「わかっている!!」」



私が勇気を出して、発した言葉は無惨にも彼に遮られた。



「わかっている!黄泉様のお気持ちの全ては、別の男にあることぐらい…わかっているのだ!!」



部屋いっぱいに響くほどの彼の叫びに、何も言い返せない。



「私は…幼き頃、この屋敷に訪ねたことがある。その時、私は少しばかり黄泉様と会話を交わしました。先程、会ったことはないと言いましたが、本当は違うのです。」