…何故、父様は言ってくれなかったのだろう。
とか、そんなことより…
文や歌が送ってこなかったのを詫びろうという気持ちに、皮肉さを感じるのは、私がひねくれているせいだろうか。
所詮は、その程度の気持ちだったのだろう?
なのに、軽々しく求婚なんてしてきた。
その事に、なんだか腹ただしくなって。
「別に、そんなことどうでも良い事です。」
口調が厳しくなる。
「あの…どうかなされたのですか?」
相手には不思議なんだろう。
私が怒っていることが。
「どうもしておりませぬ。」
言葉とは裏腹の、厳しい口調。
自分でも言えるほど、矛盾している。


