「私は星宴と申します」
沈黙を破った第一声はその一言。
「え。あ…え?」
急に発せられた理解しがたい発言に、眉を寄せる。
今更自己紹介され、黄泉は微かに首を傾げた。
「あの…理解しがたいのですが…」
「はい。そうでしょうね。貴女らしいです。」
襖ごしの男は笑っているに違いない。…ではなくて、なんというか…謎が深まっていく。
「私とお会いしたことあったでしょうか?」
「直接は…ないですね。」
「…?…私と、なにか関係でもあったのですか?」
「はい」
…?!
きっぱり言われたその二文字に黄泉は、ハッと顔を上げた。
「私と黄泉様は…」
その後の言葉がなかなか聞こえてこない。高鳴る心臓は何を意味しているのか…自分でもわからない。


