…ない。そう言ってしまいたい。
それが出来ないのが…今の状況。
「ではお聞き致しますが、私どうすれば宜しいのですか?」
無理をして、怒りを押さえて。感情を露わにしないよう懸命に防いだ…つもり。
「私としては…心からの気持ちを頂きたいですからね。」
…矛盾、してはいないか?
先程は、私を愛さなければならないなどふざけたことを言っていたのに。
今はなんだ?
心からの気持ちを頂きたい?
私が心からの気持ちを向ける可能性なんか、僅かもないとわかっているはず。
黙っている私に再び、声が飛んでくる。
「私は天皇から命じられたというのもありますが、婚約したいと思っていました。」
思って、いました…?


