僕はギターケースを開き、ちゃっかりお金をもらう準備もした。



まだまだ楽譜がなければ弾ける状態ではなかったので楽譜を地べたに置き、胡座をかいて座った。



そして和也が1・2・3という合図を送る。



ぼーん♪



ぼーん♪



お、おぅっ!?



自分でも分かるほど下手くそだ。



そして、追い打ちをかけるかのように和也の歌声も実に微妙だ。



やっぱり大して変わらないじゃないか。



それでも、和也は自信満々とした顔で歌っているので仕方なく弾き続けた。



すると、騒がしい足音が聞こえてきた。