「はぁ…元気ですけど…」



少し疑いの目をして答えた。



「まだ思い出せないの?」



「え、えっ?」



僕は戸惑った。



「私よ?」



顔を少し傾け、上目遣いをする彼女。



「あっ、亜依さんでしょ?」



「そういうことじゃなくて!」



「えっ?」



彼女は仕方ないわねといった表情で自分の顔を僕の顔へと近づけた。



僕はその行動に反射的に上半身を反らした。