すると亜依がこの重い扉を開いた。



「告白された次の日にやっぱり本当の気持ちを言おうと思って和也に会いに行ったの。そしたら、顔面すごい血まみれで…でも何度聞いても答えなかったわ…」



「………。」



「駿に相談に乗ってもらっていたことも話したわ。和也のことが好きっていうことも言ったわ。そしたら『贅沢を言えば、その話を30分前に聞きたかったな』って和也はそう言ったの。その意味が私にはよく分からなかったけど、ありがとうって言って抱きしめてくれた。」



「………。」



「とても幸せだったわ。そしたら次の日、和也は事故で…でも、ね、もう考えるのやめた。和也が戻ってくるわけじゃないし、いつまでもくよくよしてられないもん。」




そう言い、亜依は空を見上げた。