One Way Ticket 2

「あ、あ―・・・いやっ・・・」

司は俯き頭をかいた

そして
まっすぐ私を見つめる


今度は視線を逸らせなかった


「先輩・・・俺は・・・」

「ごめんっ!!」


耐え切れなくなって走り出そうとした私を
司は両腕で抱きしめた

「きゃっ!」

165センチの私がフワッと宙に浮いた

「言わせてくださいっ・・・・」

耳元で切ない声が響く

「あなたが・・・好きです。」

吐息と力強い声に鳥肌が立った

司の気持ちが

胸に突き刺さる



















「ごめん。・・・好きな人が居るの。」



やっとの思いで言った一言
司の抱きしめる腕に力が入ったのがわかる

「痛いよ・・・司・・・。」

何も言わずに司は私を下ろした

「ごめんね」

小さく言って私はその場所から走り出した
振り向く事もできなかった

こらえきれない涙が頬を伝う


人を想う気持ちってこんなに重いんだ