One Way Ticket 2

渋谷の小さいライブハウスは
人だごった返していた


私は人混みの中をなんとかステージに向かって
歩く・・・


司たちの前のバンドが演奏を終えると
観客は自然とステージを離れていった


「次が司たちの番なのに・・・」

「他の客は司たちのバンドをきっと知らないんだよ。」

少し不安になり
あたりをきょろきょろしてしまう


カウンターで酒を飲んでいたり
壁に寄りかかって話していたり

私たち以外は
ステージを見ようともしていなかった




そして
次第に照明が暗くなる


ステージは暗くて見えないけど
音を合わせているのがわかる



~♪

ギターの音と共に一気に照明が下から上がった

そして勢い欲ドラムが鳴り出しリズムを刻む

私はステージに釘付けになっていく

そこには見た事もないくらい
生き生きと輝く
楽しそうな司がいた