One Way Ticket 2

那智の手に自分に手を重ねた


不思議に目には涙が浮かぶ



「千香?」


心配そうな那智


「・・・怖い?」


那智の手はほほを優しくなでる


つっー・・・


一筋の涙が頬をつたった


「っごめんなさい。」

ハッとして顔を伏せる



優しい香りに包まれた


「ごめんな?俺、ちょっとあせり過ぎた。」

那智の手も・・・震えてるの?


「千香を大切にしたいのに。
 千香が一番怖がる事をしようとしてた・・・。」


この人は




那智は




私の事をそこまでわかっててくれたんだ



いつも私の傍に居てくれて
いつも私を気遣って

なのに私は気がつかなかった



いつも
どこかで那智を疑っていた

私は馬鹿だ


この
ゆるぎない愛を少しでも疑っていた事が
恥ずかしい



「ごめ・・・っな・・・さい。」


「大切なのは俺たちの気持ちでしょ?」