‘リーン・・・リーン・・・’
静かに響く鈴の音
蝋燭の明かりに囲まれた舞台の上には
雅な着物を身にまとった天女が舞っていた
「これは・・・。」
那智は一瞬にしてその舞台に吸い込まれたみたい
そして私も天女の舞へと吸い込まれる
「天女の羽衣は紅の空を舞い
風に抱かれて
想い人の元へ・・・」
「それは?」
「この神社に伝わる伝説。
昔ね一人の天女が人間の男を愛してしまったんだって。
でも、天女は人間と結ばれる事はできない。
だから変わりに自分の羽衣を男に送るの。
羽衣が無くなった天女は
天界から落ち、燃え尽きて空を紅に染めた。」
私が那智と
この舞台を見たかった理由がわかる?
「悲しい話だね。」
空を見上げる那智の横顔を見る
出会ってからもう結構経つのに
この横顔は
いつも私を苦しくさせる
「実はね続きがあるんだ。」
私は境内の奥に向かって歩き出した
社の前に立って
那智に振り返る
「その後男は天女の羽衣をこの神社に祭って
天女に永遠の愛を誓うんだ。」
そして
那智の手を取った
「私は那智に救われた。
那智からもらった‘生きる’っていう羽衣は
今も私の心にちゃんとあるよ。」
こんな事恥ずかしくて普段はできないけど
神聖な場所で不謹慎かもしれないけど
精一杯の気持ちをあなたに・・・
「ありがとう。」
そっと那智の唇にキスをした
背伸びをして
一瞬のキス
唇を離して
恥ずかしいよ
顔が発火しそう
怖くて那智が見れない
静かに響く鈴の音
蝋燭の明かりに囲まれた舞台の上には
雅な着物を身にまとった天女が舞っていた
「これは・・・。」
那智は一瞬にしてその舞台に吸い込まれたみたい
そして私も天女の舞へと吸い込まれる
「天女の羽衣は紅の空を舞い
風に抱かれて
想い人の元へ・・・」
「それは?」
「この神社に伝わる伝説。
昔ね一人の天女が人間の男を愛してしまったんだって。
でも、天女は人間と結ばれる事はできない。
だから変わりに自分の羽衣を男に送るの。
羽衣が無くなった天女は
天界から落ち、燃え尽きて空を紅に染めた。」
私が那智と
この舞台を見たかった理由がわかる?
「悲しい話だね。」
空を見上げる那智の横顔を見る
出会ってからもう結構経つのに
この横顔は
いつも私を苦しくさせる
「実はね続きがあるんだ。」
私は境内の奥に向かって歩き出した
社の前に立って
那智に振り返る
「その後男は天女の羽衣をこの神社に祭って
天女に永遠の愛を誓うんだ。」
そして
那智の手を取った
「私は那智に救われた。
那智からもらった‘生きる’っていう羽衣は
今も私の心にちゃんとあるよ。」
こんな事恥ずかしくて普段はできないけど
神聖な場所で不謹慎かもしれないけど
精一杯の気持ちをあなたに・・・
「ありがとう。」
そっと那智の唇にキスをした
背伸びをして
一瞬のキス
唇を離して
恥ずかしいよ
顔が発火しそう
怖くて那智が見れない


