One Way Ticket 2

「・・・何してるの?」

いつもよりも静かで冷静な声。
でも私を見つめる視線はすごく冷たい。

「え?」

内臓がぎゅっと締め付けられるみたいな感覚に襲われた。
那智に知られちゃった・・・・?

「千香ちゃん?」

とそこにタイミング悪く隆明が現れた。

「遅いから迎えに着たんだけど・・・知り合い?」

那智を見て明らかに隆明の表情が曇る。
私はそれよりも那智から目が離せなくて・・・

「千香。こいつはだれ?」

さっきよりも冷めた空気と声がその場を埋めた。

「あ・・・その。」

言いかけた私の言葉をさえぎるように
言葉が重なる

「あんたには関係ないでしょ?あんたこそ千香ちゃんの何?」

隆明も明らかに那智を敵対している。

こんな展開は
ドラマだけでいいよ。

私はただオドオドと二人を交互に見上げた。

「那智?!」

今度はタイミングよく仁がやってきた。

「なるほど・・・。」

那智の一言で
那智が切れてるのが一目でわかった仁が
慌てて駆け寄る。

「俺が無理やり頼んだんだよ。
 お前には内緒にするからって・・・。
 俺が悪いんだって。千香は悪くないからな?」