One Way Ticket 2

シャツにジャケットを羽織ってコンビニであったときよりは
ずっとおしゃれで身奇麗になっていた

「驚いたな。
まさか千香ちゃんが来るなんて。」

驚きを隠して良一は言う

「たまたま、通りかかったら佐々木さんの名前が見えたから。」

私は慎重に嘘をついた

「そう。
でも、着てくれた。ありがとう。」

まるで礼儀正しい紳士のように
良一は右手を胸に当てて軽く会釈した


そのきれいな姿に私は見とれてしまった

「あ、・・・
お仕事ってカメラマンなんですね。」

思い出したかのように
今の一瞬のみとれをかき消すように
話した

「そうだよ。
これでも、一応プロのカメラマンなんだよね。」


「へぇ・・・。
確かにサラリーマンには見えないですね。」


「よく言われるよ。
ニートってね☆」

思わず笑がこぼれてしまった

いつの間には良一には心を開いてしまう

良一の独自の雰囲気に飲み込まれないように
細心の注意を払う