One Way Ticket 2

そのままゆっくり
首筋に那智の唇が這う

背筋がぞくぞくして
我慢できない声が漏れる


「・・・」


その瞬間
那智の動きが止まった

「那智・・・?」


ゆっくりと那智が私の視界に入る

真剣な眼差し

「・・・今日のお見合いの相手って
・・・だれ?」

すごく真剣で
少し怖い


「え・・・
お母さんの会社の取引先の知り合いの人だけど・・・?」


「違う!名前だよっ!」

突然
那智が怒鳴った

体がビクッと反応する

「さ、佐々木良一。」




那智はそのまま固まってしまった

瞬きもせずに
ただ
私の言葉を反芻させていた



「・・・佐々木?」


やっと
震えるような小さな声が私に届いた