One Way Ticket 2

あれから
仁にしつこく
合コンのセッティングを頼まれて。

「だから、私はいけないって。」

『いや、来いよ。那智には内緒にしておくから。
 千香がいないと盛り上がらないだろう?』

「意味がわからない!」

『ってかさ、もうこっちはメンバー集まってるから。
 後は女の子を待つのみなんだよ?
 お前は先輩の顔をつぶすような後輩じゃないでしょ?
 お願い!千香ちゃん!!』

電話越しに仁の顔をつぶしてやろうかとも思ったけど・・・

葡萄も食べちゃったし
なにより
頼まれたら嫌っていえない性格・・・

仁の事だから知っててこんなに頼み込んでるんだろうな。

ごめんね。
那智・・・
約束破っちゃうけど

「わかった。
 仕方ないなぁ、今回だけだよ仁先輩?」

『ありがとう後輩!』

一瞬にして仁の声のトーンが変わったのがわかった。

「那智には秘密だよ?!」

『もちろん!』


そうして
仁には嬉しい
私には面倒くさい
合コンが成立した。