One Way Ticket 2

「振袖?どんな?」

那智は本を置いて私を後ろから抱きしめた

「紺地に銀と淡いピンクの蝶の模様の着物。
帯は・・・金だったかな?」


「ねぇ、見に行っちゃダメ?」

「だ、だめ!
って言うか那智はその日は高校のゼミ講師でしょ?」

あせった


那智が私の実家になんてありえない・・・

こんなカッコイイ人間は私の地元には居ないもん

きっと注目の的だよ

「はぁ。
わかってるよ・・・。」

ため息が耳にかかってびくっと体が反応してしまう


「荷造り・・・するから。」


那智の手を振りほどいて自分の部屋まで行こうとした
瞬間
フワッと体が浮いた

「きゃっ!」

「まだ話は終わってけど?」


そう言って
向かった先は脱衣所


サーっと血の気が引いていく

まさか・・・

まさか・・・

那智?!