まだ大丈夫な、はずだった。


また、稲光!
音も、ほぼ同時に聞こえる。



その音に彼女はしがみつく。


「大丈夫だよ!」



雨が降り出した。

かなり激しい。


私はジャケットを彼女の頭にかけ

彼女を抱く様に走る。


雨宿りする場所を探しながら走る。


球場に戻るか考えながら走る。

彼女を抱えているので、
早くは走れない。


走る先に、吾妻屋が


吾妻屋に走り込み雨宿り。


ジャケットを被ってた彼女も私も
ずぶ濡れである。



「大丈夫か」


『もう中まで、びしょ濡れ、
大丈夫って言ったじゃない』



「俺?」