少女、美乃はそれを聞いて顔を輝かせた。対する蒼空音は心底安心した表情を見せた。
「有難うございます。では今後、いえ、明日から、どうぞよろしくお願い致します。」
柏木は蒼空音の固い礼に苦く笑った。後ろで小動物のような美乃を見ると、思わず笑いが零れてしまうのだが。
その日は蒼空音と美乃の二人で登校していた。人混みに紛れて、二人の姿を見失う。
しかし自分が居たら車内恋愛は厳しいのではないか。いや、その前に彼氏とかに誤解されたら厄介だな。
柏木はふと、人混みの中でそんなことを考えた。
メニュー
メニュー
この作品の感想を3つまで選択できます。
設定されていません
読み込み中…