『俺、奥さんも子供もいるけど?』



当たり前のような俺のセリフ。



だって事実じゃん。



『知ってますっ!!それでもそれでもいいんです……好きなんです…』



前の俺なら、こんな訳の分からない女、



絶対冷たくあしらって終わりのパターン。



だけど、今は違う。



『気持ちは嬉しいよ』



ちゃんと、こうやってさ、



笑顔でいられるからね。



『俺、奥さん愛してるからさ、そういうの無理なんだよね。ゴメンね』



レイナと嶺雅。



こんなにも大切な存在が俺のそばにいる。



それがどんなに幸せなことか。



失いたくない大事なもの。



俺には守るべきそんな家族がいるから。



だからこそ、他の奴にも優しくなれるんだと分かった。



それはきっとこれからも変わらねぇ。