何分泳いでいるのか、だんだん息も苦しくなってきた。
「青歌さん。何してるんですか?」
横からは、先ほどの男の声が聞こえてくる。
聞こえてくる??
驚き目を開くと、海の中で目を開けるときのどくとくな痛みも、水の中で目を開けるときの間隔も感じない。でも、やはり息は苦しく顔をしかめる。
男は、息継ぎもしていないのになんとも涼しげな顔をしている。
「言い忘れてました。息は、できますよ」
息、できますよ
デキマスヨ
DEKIMASUYO!
男も青歌もダイビングに使うような酸素ボンベをつけていない。
よって、息などこの海の中で出来るわけが無い。
「まあ、信じないならいいんです。
それより、あと5分ほどで目的地につきますよ」
男の言葉に青歌は怒りを覚えた。
後5分も息がもつわけがない!!
今でも苦しくて意識が薄れつつあると言うのに。
選択の予知無く青歌の口からは空気の泡が漏れていった。
