最高級の召使

「こんなに真赤になって」


倉之助が私の真赤な手を
にぎりしめた。


「大丈夫ですか?」


「寒い……」


「困ったな…秋の雨は冷たいから…」

そう言って私の頬を
手のひらではさんだ。


「うわ…参ったな……」


大袈裟に体をふるわせた。



倉之助が私を抱きしめた。



「申し訳ありません。
楓さまにご迷惑をおかけして。
歩けますか?」


「うん……」

演技できるんだ私も…
倉之助の肩に
もたれかかって歩く道


愛してる


これがきっと愛なんだ・・・