最高級の召使

終点地点の海まで行くと
雨の中たたずむ
倉之助を見つけた。



「いた~~」

嬉しくて跳ねている自分が
笑える。


きっと驚くわ~~


静かに近づいていった。


倉之助は電話をしていた。


「……それは無理だって……
困らせないで…俺達…
終わったはずだよ。
今さらもう……俺は俺の生活を始めた。
そっちには帰れない……
もう……愛してないよ。
終わったんだ………
苦しめないで……ローサ……」



声をかけられずに
倉之助の後を静かに通り過ぎた。




少し離れたところから
見ていた。


電話を切ったら
砂浜に降りて行った。

私はその後ろ姿を見つめた。


ローサはきっと昔の恋人・・・・
胸がキュンとした。


倉之助の背中が
悲しそうに見えた。