最高級の召使

「運転してくれて何年たったの?」


運転手が目を丸くして
バックミラーから私を見た。


「あ…えっと…
楓さまの運転手になったころ
ちょうどうちの一番したの娘が
生まれたころだったから
10年ですか。
あの頃、ちょうどリストラされて
子供3人抱えて
職安通いしてて…
その時、たまたま求人があった
こちらに飛び込んで
小田島さんと面接していただいて…
ちょうどいらした
ご主人さまにもお会いできて
私は職をいただきました。
死が見えていたから
本当に感謝しました。
なんでもさせていただきます。
感謝しながら
私は暮らしておりますから。」


夢中になって話ている運転手を
見ていた。


「私はあの時の気持ちを
忘れません。
感謝してお仕えするのが
私の気持ちです。
つらくてもかなしくても
仕事させていただける
それだけで十分ですから。」

いい笑顔だった・・・・・