最高級の召使

いつものように見送られる朝


少し後ろめたかった。

「いってらっしゃいませ」


倉之助の目を見られない。


私は手と足が一緒に出るくらい
緊張していた。


「いってきます。」



屋敷を後にした。



外には興味があったけれど
勇気がなかった。



いつしか
屋敷が生活のすべてになった。