「これから、たまには
屋敷で働くものたちと楓さまとの
親睦を深めるために
定期的にみんなでワイワイ
しながら食事をしましょう。
いつもおひとりでする食事は
とてもさびしそうです。
みんなと食事するのは
とてもいいことだと思います。」



そう言って
串に刺さった牛肉を私に持たせた。


「はじめてなの?
どうやればいいの?」


そばにいた召使たちが
手取り足取り
教えてくれた。

初めて話す人もいて
楽しかった。



串に刺すやり方を教わり
イカやタコを刺して
食べた。


こんな食事はテレビの世界だった。
大きな中庭だって
庭がきれいなだけで
私にとっては絵にすぎなかった。

外で食べる食事
みんなでワイワイしながら
食べる食事が
こんなに楽しいと思わなかった。


切り盛りしながら
働く倉之助に感謝した。