最高級の召使

「今決めたんです。」
井上は笑った。



「気高くて美しい。
強い意志を持っている目をしてる。
それに容姿も
申し分ない、なかなか
こんな理想の女性に会えませんから。」



コーヒーカップを口にした。


薄い唇が冷酷そうに見える。




「私はそんなこと考えてません。」



「でもいずれは有栖川の家のために
きめられた結婚をするんでしょう?
変なさえない男の妻になるより
私に決めてもらえれば
悪いことないですよ。」



なんだ・・・・こいつは・・・・



「多分ご両親もそれを
望んでいらっしゃるから。」




「両親も?」

動揺する私



「ええ。」


冷酷な男の薄い唇を見ていた。