「顔、まっか…」

「ッ・・・!!」


顔、近い!!そりゃ赤くもなるがな!!
心臓もやばいがな!!

「か…かえ…る」

最後の方は声が小さくなった。
たぶん、「る」とか聞こえないと思う。

でも王子は頷いて、私を家の方へと連れて行く。

「鍵は?」

「あ…小さいポケット…」

私は王子が持っている私のバッグの外側に付いているポケットをみて、鍵を抜き取ろうとする。
でも、やっぱり、先に王子が取ってくれた。

「はい。」

王子は鍵をぶら下げるように持って私へと向ける。

「ありがと…」

鍵を受け取ろうと手を出した。

けど、鍵は王子の手の中にしまわれてしまった。

「…?」

「開けてやるよ。」

「なん…で?」

とか言う前に玄関の鍵を開け、私を家の中にいれ…王子も入って来た。
いや、意味不明ですから。
まず鍵開けちゃうとかないですよ。
これはかるい不法侵入だよ。

と、いつもなら思うところだけど今は無理です。