「だってぇ…
羨ましすぎるんだもーん…
良いなぁ…私も有先輩と…」

「じゃあ、香。今度うちにくるかい?」


香は驚いた表情で私をみた。

や。私は喋ってないですよ?

ていうか、こんな低い声出せません



「や。千夏ちゃん、香。」

「「…有先輩!」」


海斗より少し低い声がしたと思って、斜め上を見上げると、香の彼氏の有先輩が立っていた。


「先輩、どうしてここに?」


有先輩は3年生。
3年生の教室は一階上で、今の3年生は受験やなんかで滅多に下級生の教室には来ない。


「委員長の役割でね。2年生の委員会に入ってる子を見て回って、次の委員長を誰にしようかって決めてるんだ。」

「大変ですね。」

「まぁ、やりがいがあるからね。そんな苦でもないかな。


ところで、香。」


香は肩をピクッとさせて有先輩を見つめた。