―――――――――――


「へぇー……じゃあ、相当大変だったんだ」
「はぁ…なんなんだって感じ」

「早苗さんは、たまにスイッチ入ると止まんなくなるんだよねー」
「そうそう。困ったもんだよ…まったく」



次の日、私と香は教室で昨日の出来事を話していた。


「ていうか…」

「ん?」

「うちの弟が手が早かったなんて…お姉ちゃんショック…」

「手が早いって…」


香は机に突っ伏して声を曇らせた。


そっか。香はまだだったっけ…



「ていうか、
千夏が私より早かったなんてぇ!あ――!!先越された!」

「ちょっ!香!声デカすぎ!!」


教室内に香の声が綺麗に響いた。

シーン………


う……


視線が…視線が…痛いよぉ…………


「あは…ごめんごめん。」

「噂流れるの決定じゃんっ!どうしてくれるのさ!」


極力目立ちたくなかった…


私は恨めしそうに香を見つめた。